息子の髪を切りに近所の理容室へ行ってきました。
わりと混んでいてしばらく待機してると我々の次に来た親子(母親と男兄弟)が(広いのでスペースを空けて)隣に座ったんだけど、置いてあったおもちゃ(電子音が鳴る光線銃)で兄弟が遊びだして、その音がまぁうるさいのなんの。
母親も店員も注意しないし、結構長い間我慢しながら悩んだよね。
騒がしい他所の子供を注意して叱るべきか否か
うちの子は横で音をミュートにして持参した3DSで静かにしてたんだけど、音に敏感な自閉症スペクトラムなので気にしてる様子。
私は基本的には子供はうるさくて当たり前だと思っているし、子供の出すノイズにはものすごく寛容で、ちっともムカつかないはずだったんだけど‥。
延々と光線銃の音がうるさいわけです。
こんなおもちゃを置いてる理容室側の問題でもあるし、店的には許容範囲なのかもしれないが。
母親は注意しないのかとチラ見したら黙って本読んでんの。
7~8分経過した頃にようやく母親が静かな声で「静かにしなさい!」って注意するんだけど、兄弟は関係なしに音を鳴らし続けてます。
騒がしいまま10分以上が経過します。
超温厚で怒りの沸点がかなり高い私としても、もうそろそろキレていいかな?と疼き始めます。
多分普通のDQNだったら30秒くらいでキレてると思います。
私は10分以上も隣で我慢しました。
もういいでしょう。
静かにたしなめる?母親に注意を促す?
いや、ここは解りやすく大声で一喝すべきシチュでしょう。
超冷静に決断した上で、さぁ言うぞ!
「うるせぇ!!いい加減にしろ!!うっせぇわ!!」
他所のうるさいガキを怒鳴って一喝してやった
理容室全体によく響きました。
我ながらよく通るいい声だと惚れ惚れします。
見事にバカ兄弟は音を出すのを即座にやめました。
もっと早く言えばよかった。
母親も「すみません」と頭を下げました。
これでいいのだ。
一件落着。
外を走る車のサイレンやエンジン音のがうるさかった
コロナ禍なので理容室の扉は開放されていて、目の前の道路を行き交う車の音も店内が静かだと気になってきます。
救急車のサイレンやバイクのエンジン音のがさっきまでの子供の光線銃の音よりもよっぽどうるさいじゃんと感じます。
もしそう反論されたらどうしようと考えます。
サイレンもエンジン音も数秒で通り過ぎるわけだから、10分以上も鳴り続けるおもちゃの音とは比較にならない。
よし、論破可能だ。
するとバカ兄弟の母親がトイレに立って通り過ぎるついでに私の前で止まり改めて謝ってきたのです。
相手の親に謝罪されてへこへこする私
「私ボーッとしてて本当にすみませんでした」
「いえいえいえいえいえいえいえいえいえ」
再度謝られることを想定していなかったのでどう応えていいか瞬時に判らず、コワモテを気取っていたのにお人好しの化けの皮が剝がれてしまいました。
もうちょっとどっしりした風格で「お母さんも元気な男児二人で大変でしょう」と労いの言葉でもかけるようなおっさんジェントルマンでありたかったのですが、実際の私は恐縮しながらへこへこと何度も会釈するのでした。
息子に「いえいえって何回言った?」と笑われてしまいました。
うるさい子供には親を介さず直接他人が怒るべき
今回のケースですが、極めてベストだったと思います。
やはりまず親よりも子供に怒鳴ることで、親に注意されても聞き流してたクソガキでも知らない他人のおっさんから叱られたらさすがに黙りますから。
店員を通して間接的に注意してもらうよう促すというのもしっくりきませんし。
我慢して何も言わないというパターンも考えたんだけど、そしたら家に帰ってからもずっとひと言一喝すべきだったとモヤモヤして、明け方まで寝付けなくなることも想像できたので、自分がストレスを後で背負いこまないためにもあの場で言うしかなかったのです。
黄昏の岐路で
帰路で息子からは「ずっと音が気になってたからパパが言ってくれてよかったよ」と言われました。
「でも言うのってすごく勇気がいるよね?」とも言われたので、「パパも若かったら言えてないよ。人生経験重ねて我慢ばかりして後悔することが多かったから、我慢しないで言いたいことは言うって決めたんだ。」
「もうあとは死ぬだけだから怖いものなしってことだね?」
「んーー、全然違うけど‥まぁそうだね。」
初夏の風を浴びながら黄昏の坂道を手を繋ぎ歩く今日のこの瞬間も、いつか十数年後に思い出すワンシーンになるのかな?なんて考えながら、頭がスッキリした彼と心がスッキリした私の連なる影は、小さな幸福の中へと埋もれて消えた。
↓ 二年前にもキレてからのお人好しエピ